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根尖性歯周囲炎を歯周病?2014.09.27 Saturday
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歯の相談コーナーを見ていると、歯周病というよりも歯髄が失活したために
感染を来して(これは根の先にバイ菌がたどり着くことにより生じるために、レントゲンでは
根尖周囲の透過像として現れる)いるのではないかと想像してしまうことがある。
先週もそのようなケースがあった。レントゲンのコピーを持参してくれたのであるが、
一目根尖性歯周囲炎の状態である。詳しく聞く時間がなかったのであるが、結局は
重度の歯周病ということで、抜歯されたようである。根管治療により治癒せしめることが
出来た可能性が高い。大学病院を受診していたらしいのだが、残念なことだ。
遠方からかみ合わせのことで来院されたのであるが、その歯は第一大臼歯で抜歯後、
矯正により第二大臼歯を手前に寄せたために、咬合低下を来してしまい
しゃべりにくいということが悩みのようでした。
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本のタイトル =現代ヨーロッパの機能的矯正装置=2014.09.26 Friday
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ヨーロッパでは100年以上前から、機能的矯正装置が使われている。
機能的矯正装置は、顎周囲の機能的問題に働きかけ、歯並び自体を悪くする要因を
出来るだけ排除して、顎の正常発達を助け最終的には歯並びもよくしようとする
装置である。
タイトル以外の機能的矯正に関する本では、機能的矯正装置による顎顔面整形治療、矯正
治療と顎顔面矯正治療、という本を持っている。歯並びの大元に働きかけようとする
矯正治療の解説である。歯並びを悪くする根本的問題に働きかけようとする治療法である
からにして、全く持って矯正の基本と言ってもよいと思われる。しかしながら、
歯並びだけを対象にする商業主義的スピード矯正が跋扈しているのは遺憾である。
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歯根破折歯を抜歯後、齲蝕検知液でチェック その後2014.09.25 Thursday
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2014.09.15 Monday
の続きになりますが、歯根破折を起こした歯を抜歯したその後になります。
その手前にインプラントを埋入したのですが、埋入後周囲の骨が溶けだしている様子を
報告したわけです。インプラントが成功しないと困るので今日はレントゲンにて
チェックをしたところ、インプラントは周囲に骨が形成されてきたのがありありと
判る状態になったのである。めでたし、めでたし。1cmくらい離れている
インプラントが、奥の歯の感染の影響をもろに受けてしまったのである。
体は隣の歯の炎症のために、インプラントを異物と認識した可能性があるのです。
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結合組織の移植2014.09.20 Saturday
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一昨日はバイオインテグレーション学会の教育研修講演会に出席した。
前歯部で歯槽骨が委縮している部分へのインプラント後は、歯肉も退縮しているので、
審美的に問題が生じリカバリーは難しい。そのような場合に、口蓋の部分から
結合組織を採取して、前歯部歯肉の下に潜る込ませるように詰め込んで移植する方法がある。
主にそのようなことに関する講演であった。本来は歯槽骨が回復できるのであれば一番良いの
であるがなかなかそうもいかないので、苦肉の策ともいえないことはない。再生医療が発展
すれば、すんなりと回復できるようになるかもしれないが、そう遠くない日を望むものである。
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上顎前突2014.09.17 Wednesday
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上顎骨の成長抑制と下顎の反応 が演題です。
日本における上顎前突は、nasion perpendicular からみると上顎前方突出型は僅か7%であり
全体の75%近くは下顎後退型を示すと言われている。
と、いうそうなのですが出っ歯ということでする矯正治療に当たっては、本質的問題を
見誤らないようにしてもらいたいと思います。
nasion perpendicular 顔面のでの上下顎の突出度を見る指標です。
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歯根破折歯を抜歯後、齲蝕検知液でチェック2014.09.15 Monday
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先週は、歯根破折が原因で、2本抜歯した。一本は、2014.09.11 Thursdayである。
これは歯冠から歯根にかけて、生木を裂くような破折の仕方であった。
もう1本は、下顎第二大臼歯であった。当院で根管治療をして、支台築造後フルクラウンを
被せてあったものである。10年以上何も問題なく過ぎたが、前方の第一大臼歯が歯根破折
によって抜歯をしたのちに、インプラント埋入をおこなったという他の事情があった。
そのためのレントゲン検査で、埋入前からわかっていたのであるが、すぐ後ろの
第二大臼歯の歯根周囲にレントゲンにより透過像が出現し始めていたのである。
以前から根尖病巣もなく、全くの健康状態であったものが、突然歯根周囲に透過像が
現れるときは、真っ先に歯根破折を疑うのが、常である。インプラントの経過観察で、
インプラントにわずかに動揺が見られる上に、第二大臼歯の歯根周囲の透過像と一緒に
インプラント周囲にも透過像が見られるようになった。これは第二大臼歯の歯根破折による
生体の防御反応の波及と、細菌の移行感染が原因と思われる。このかたも、以前から
かみしめ癖のあること、支台築造をしている歯冠崩壊の大なる歯であること。手前の
第一大臼歯がなくなり負担が過重になったことなどから、歯根破折が生じていることが
まず間違いなと思われることから、抜歯をしたのである。インプラントが生着しなく
なる恐れもある。抜歯後すぐに検査するのであるが、わかりずらいので齲蝕検知液で
染めてみると、非常に細いラインで歯根の破折線が浮き上がったのであった。
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ダイヤモンドインプラント?実はジルコニア2014.09.11 Thursday
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人工ダイヤモンドのインプラントが目にはいった。ネットのことである。
ジルコニアは金属であり、セラミックに変身すると透明物質になる。電気は通さない。
フィクスチュアーがジルコニア性のものは確かにあるらしいが詳しくは知らない。
電気を通さないから、MRIに問題ないとか(実際に当院で以来する顎関節症でののMRIでは
問題になったことはない)謳っているがそれほどのことではない。
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自身と歯科医が2014.09.11 Thursday
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かみ合しめの癖がある人は、最後臼歯に修復物が施されていることがあることから、
見抜ける場合もある。今週抜歯することになった来院者は、大臼歯にクラウンが
多く施されているが、どれも極端にかみ合わせが低いものばかりである。
そのために、小臼歯に咬合力が集中してしまうことになり、かみ締める癖と相まって、
破折してしまい、抜歯せざるを得なくなったものである。低いクラウンばかり入れるのも
罪深いものであるが、かみしめ癖も怖いものではある。
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してはならない開咬での咬合調整 の例2014.09.10 Wednesday
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以前は開咬であったことは間違いのないケース。本人の言もあれば、咬合状態に
その名のごりをもいくつか残している。不用意にも奥歯から咬合調整をしてしまった
ようである。
一般的に開咬は最後臼歯から順番に前に来るにつれ、かみあわせが開いてくる。
前歯はもちろん小臼歯も咬みあってないことがある。
そのためか奥歯から削合していくとある程度全体が咬み合うようになると
判断するのではないかと思考するが、調整と称して削ってしまうのである。
この様な処置は奥歯の咬合高径を少なくすることにより、顎関節症を招いてしまうことが
あるので、要注意である。たったこれだけのことと思われるでしょうが、体調まで
悪くなってしまう人がいるのは事実である。開咬であったのだから元通りにするという
意味では、仕方なく開咬の状態に下顎の位置を調整していくしかない。そのほかにも
反対の?意味で、顎関節症治療で開咬状態にせざるを得ないことがあるので、
そのことについても度々触れてきています。
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ハイアングル 下顎下縁 顎関節症 論文2014.09.07 Sunday
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下顎下縁は文字通り、下顎の下部を縁どるものである。前方に行くに従い下方に
さがっていく。この角度が強いものを矯正用語では、ハイアングルと称している。
ハイアングルと早期接触の2項目を評価して、調べたところ両者を有する人は
有意に顎関節症の割合が多かったという矯正学教室の論文である。
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