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ただの2件だが2015.04.28 Tuesday
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しばらくぶりに、来院された比較的若い患者さん。もともと歯の健康に気を
使い、白い歯にこだわっていたために、記憶に新しい。
友達の歯科衛生士に誘われて、わざわざそその歯科衛生士が勤務している歯科医院に
誘われるままに赴いて、上顎前歯のコンポジットレジンの再治療をしてもらった
らしいのである。ところが雑なこと極まりなくコンポジットレジンがはみ出ていて
隣の歯との間を埋めていたり、研磨が悪くざらざらしていたりで、治療を受けた本人も
そのまずさには気が付いていたようである。
さらに事情があってインターネットで調べて、当院の近くの歯科医院に検診に赴いた
のである。ところがこの歯が悪いということで、歯髄を除去する(俗に神経を取る)治療
らしきことを受けたようである。先に述べたように記憶に新しいところがあるので、
その歯は決して齲蝕などにはり患しておらず、きれいな歯であったのである。打診すると
痛みがずーっとあるというので、レントゲンを撮影してみると根管重充填が不十分な
ところがあり、周囲に透過像があるのである。しかも穿孔している可能性が他の歯根で
見られるのである。本人も自分がしてしまったことであると反省をしているのであるが
攻めるわけにもいかない。2件目の歯科医院はCTをがあり、マイクロスコープもあると
いうことを謳っている歯科医院である。たった2件のことであるが大きなはずれ
であった。私もやるせない気分で、憤りに近いのだがもっていく行き場がない。
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後始末2015.04.24 Friday
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最近は、後始末ばかりをしているようで気が重い。根管治療のまずいもの、
冠の適合が悪いもの、義歯の咬合高径が足りないものなどさまざまである。
矯正専門家が治療しきれなかったものもある。インプラントは咬みあわせが
悪いものばかりである上に、細くて華奢なものが多い。一人で5本すべてを
撤去しなければならないものがあったくらいである。不手際のオンパレードである。
当院の特殊性もあることではあるがひどいものである。
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矯正用ミニインプラント2015.04.18 Saturday
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今日は、先日来届いている矯正用ミニインプラントの器具の確認整備を行った。
矯正用ミニインプラントはうまく使えば、便利なものであることは間違いない。
歯を移動させるときには、力の固定源が必要になる。押したり引いたりするには踏ん張り箇所が
必要である。多くは歯同志が互いに固定源になったり、移動させられたりするするように
なっている。
それだけでは固定源が足りない場合には顎外固定装置と呼称する装置を用いている。典型例は
フェイスボウであろう。この様な大げさな装置でなくても何とかならないかと、骨にピンを
打ち込んでこれを固定源にしようと意図して開発されたものである。ここぞというときに
用いるのが良いのではないかと思っている。
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まだ続くかみ合わせの低いインプラント2015.04.17 Friday
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ある人が、インプラントが4本埋入(他院での)されているのを、また診る機会を得た。
これで、他院埋入のインプラントを診ること54本目になり、かみ合わせはすべて低いという
結果になった。他の部位も咬合治療と称してなされた部があったが、相対的には、やはり
かみ合わせが低いものであった。
前日骨質という言葉を用いたが、実は、はっきりとした定義は歯科用インプラント界では
存在しないということをお断りしておきます。
骨の力学的強度は骨量と骨強度によるもので、骨強度は骨密度と骨質によるものである。
それでは骨質とは何かということになるのですが、それが今のところはっきりとしていない
ということになるのですが、あえて言えば強靭性ということでしょうか。しかしながら
骨は生きた組織であるから、これを保つには生理的に適正な新陳代謝が条件となります。
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60才台70才台のインプラント2015.04.14 Tuesday
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個人差はあるが、歯を失うと歯を支えているいる歯槽突起(解剖用語、臨床的には歯槽骨と
いうことが多い)は委縮して徐々にそのボリュームを減じていく。廃用委縮の典型例であろう。
年齢が進むとさらに歯槽基底部まで吸収が進んでしまうことがある。どうせ年だから
どんどん弱くなるとか、下がっていくとかという言い方で、インプラントをしても
大丈夫かどうか心配であるようなことを言われることがある。ところが、60才台70才台の
方たちにインプラントを施すと、明らかに歯槽基底部の骨質の改善がみられるのである。
これはインプラント埋入により、骨に、直に外力が加わる刺激により、骨の委縮がストップ
する以上に、骨の再生が進むということなのであろう。ところが義歯を入れて咬合力が、
歯肉という粘膜を介し、さらにその下の骨膜を介して骨に圧力を加えると、その部の骨の吸収が
進んでしまうのである。
他院で治療の行われた、インプラント49本、50本目を目にすることが出来た。やはり
咬みあわせが低いものであった。すべて咬みあわせが低いことがまだ、途絶えないのである。
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歯が動くわけがない 骨癒着?2015.04.11 Saturday
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下顎小臼歯はしばしば近心傾斜して手前の歯の脇の下に潜りこむようにして
前方に傾いていることがある。もちろん咬みあわせは低くて、その部を中心にして
咬みあわせは乱れる。
そのような歯がある人が、矯正中であるが動かないということで、セカンドオピニオンを
求めて来院されたのである。矯正担当医には、問題の第二小臼歯と後方の第一大臼歯が
骨癒着しているがために歯を移動させることが出来ないと説明されたそうである。
念のために歯科用レントゲンで歯槽部を撮影してみると、両歯とも歯根膜腔があり、
歯槽硬線が読み取ることが出来る。ということは、骨癒着などはしていないし、
歯根膜が存在することに他ならない。ということは歯は動くはずである。
当の第二小臼歯は上記のように傾いていて、前後の歯に挟まっているようになっている。
当然、起こしたり萌出させることはできないのである。
要するにスペースがなければ歯は移動できないのである。
この様なケースでは後方の歯を遠心(後方に)移動させてスペースを
作ればよいだけのことである。都内の歯科大学の矯正科にもセカンドオピニオンを
受けたそうである。コルチコトミー云々と説明されたそうである。あまりにも低レベル
な話ではある。
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